1980年代に発覚した、NASAの探査機「パイオニア10号、11号」の謎の減速現象「パイオニア・アノマリー」の原因は、原子力電池の熱によるものということになりそうだ。過去のデータの掘り起こしとシミュレーションを組み合わせることにより判明した。
太陽系の外惑星である木星や土星の探査を目的として打ち上げられた探査機「パイオニア10号、11号」は既に運用を終了しているが、未だ解決されていなかった謎を残していた。この謎はパイオニア・アノマリーと呼ばれる現象で、非常にわずかではあるが、予想よりも太陽側に加速(つまり外向きに飛んでいる探査機にとっては減速)していることを指す。
減速といっても非常に小さなものであり、地球の重力加速度の約100億分の1しかなく、1年かかってやっと400kmの誤差が生じるものである。
1980年にJohn Anderson氏によって、このパイオニア・アノマリーが発見された。原因を探るべく、未知の重力天体や未知の重力理論の兆候、ダークマターやダークエネルギーの影響など、様々な案が検討されたが、これまでその原因ははっきりとはわかっていなかった。
この発見は大きな一歩だ。様々な小説にも出てくるパイオニア・アノマリー。ついに解明への一歩が記されました。不思議な現象がなくなるのは残念な気もしますが、更なる科学の発展のためへの大きな一歩になることでしょう。